ほのおのあくま

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サラトバイベントお疲れ様でした。
グランゼンに所属し、好き放題ダークなストーリーを展開しておりました。
ひとつにまとめたほうがいいかな、と迷っていたところ、ちちぷいさんより記事にしても良いというお声がけいただきましたので公開します。


ここ、が…… わたしの……


開戦したことは村の顔役から聞いていた。
わたしはこんな辺境の村の、ただの自警団には無縁だと笑った。
だから今日は少しだけ遠くまで狩りに出かけた。
みんなを喜ばせたかった。
お腹いっぱい食べさせてあげたかった。

わたしの、いえは…… ここだったっけ……

故郷の炎と共に


みんなをグランゼンの炎で見送った。
燃料もなにもかも乏しい村だけど、壊れた木材ならたくさんある。
ゆらめく炎の中に、大好きだった人達の顔が浮かんでは消えていく。

ふと、みんなの姿が見えなくなり炎の鳥があらわれた。
いきましょうか 今度こそ一緒に。

思い出と、水を求めて


あの子が行ってみたい、というウェスティリアにやってきた。
道中は穏やかで、みんなと思い出話で盛り上がった。
それにしても、水がたくさんある。
喉が渇くこともないのだろう。
硬く干からびたパンもないのだろう。

こんにちは、水の国のみなさん。
みんな喉が渇きました。

ほのおのあくま


上官の命令通り、すべてを焼き払った。
暖かい。村では燃料が少なく、みんなで肩を寄せ合い暖を取るしかなかった。

後ろで味方が震えている。
凍りついたように動かず、こちらを見ている。
ごめんね、寒かったね。
すぐ暖かくしてあげるからね。
じゃあみんな、やりましょうか。

郷愁の矢


単独での敵地偵察任務。
目的地半ばで、後ろから奇襲を受けた。
太陽が陰る矢の中で。私はいつかのように、ただうずくまる。

いつまで続いただろう。
敵は遠く、姿を見ることは叶わなかった。
体はあの子が癒やしてくれた。
鉄製の捻くれた矢、これはグランゼンの……
どうして…

まだ敵が残ってたね


偵察任務を終えた私を迎えたのは、変わり果てた前線拠点だった。
あたりは焼け落ち、必死に後退したのか物資の名残がある。
指揮机は炎を逃れたようだ。

見慣れぬ金貨、密約の書、中央偏重の物資配備や賄賂の目録。そして村への略奪許可願。

そうね、敵はぜんぶ燃やさないとね…

灰だけの世界へ


尋問は呆気なかった。
人類が協力して、「炎の悪魔」としてわたしたちを討伐目標としている。

資源を求めて争い。
悪魔を討てと集う。
白々しいにも程がある。
すべてを灰燼に帰してあげよう。
等しく平等な世界に。
今度こそみんな一緒にいられる世界に。
さぁ、いきましょう。

夢の終わり


どれだけの時間がたっただろう。
あれ程の喧騒も、すべて静かになった。

どれだけの敵を斃したのだろう。
みんなみんな、すべて真っ白になった。

かえりたい。
みんなが待ってる、あの優しい村へかえりたい。
わたしのいえ、どこっだっけ…
疲れたね。ちょっとだけ眠ろうかな…




サラトバイベントには5000を超える作品が集まったそうです。
素晴らしい作品や、ネタ全振りの作品などたくさんありますので見に行ってみてください。
グランゼンに栄光あれ!!!


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