AIイラスト黎明期の思い出話

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初めまして、AIイラスト界隈の隅っこでひっそりと活動しているEtoという者です。

今回記事を書くにあたって何を書こうかまず考え始めたのですが…
自分には知識がないので解説や比較を書けるわけでもなく、学生といった身分上おすすめのグラボや機種といった記事も書けず…

そこで8月上旬ごろからAIに触れていた身として、黎明期からAI画像コンテスト終了までの思い出話を書くことにしました。

個人的にNovelAIの登場頃から一気にAIに触れる人が増えた印象があるので、最近触れ始めた方は初期はこんな感じだったんだな~、といった感じで読んでもらえれば嬉しいです。

AIとの出会い 8月上旬ごろ

実は自分自身8月までAI自体の存在を全く知らず、初めて知ったのは友人がMidjourneyで作った画像をDiscordに上げていたのがきっかけでした。

今まで絵を描くならまだしも、"生成"するなんてことは考えたこともなかったので、「なんだその技術!?」と驚くとともに強く興味を引かれました。

丁度その時期が夏休みだったこともあり時間を持て余していたので、さっそくMidjourneyの使い方を調べ、その日のうちに生成を始めました。


これが8月8日、AIで初めて生成した絵です。
もう…感動モノでした。

こんなに美しい絵がたった数十秒で生成できるのかと…

今でこそAIは広く普及し始めているのでイラストを生成できること自体当然のことになってきていますが、当時は数秒でイラストを作るなんて考えられない時代だったのでただただ言葉を失いました。


また、Midjourneyに触れてから少し経った後、DALL-Eにも触れてみました。
このモデルはColabやDiscordで動かすものではなく、専用のサイトで動かすものでした。


一気に9枚もの画像を生成できた上、手間もそれほど掛からなかったので暇つぶしとして当時は重宝していました。

女の子の絵を生成したい!!! 9月中旬ごろ

 それから数日の間延々と風景絵やらリミナルスペースやらを生成し続けていたのですが、ふとこんな考えが頭をよぎりました。

“別のモデルあれば女の子のイラスト作れるのでは?”、と。
思い立ったが吉日、早速調べてみました。

Midjourneyを使い始めた日に軽くアニメ調のぎゃんかわ女の子を作って舐めまわそうととしたことはあったのですが、まぁアート全振りのモデルでうまくいくはずもなく…

そして調べているうちに、ある一つの記事を見つけました。

それは初音ミクのイラストをAIで生成したという記事で、Midjourneyと比にならないレベルで理想に近いイラストが掲載されていました。

記事を読み進めていくと、使ったモデルに”Waifu Diffusion”の文字が。

そう、全てのアニメモデルの先駆けとなるWaifu Diffusionです。

今でこそNovelAIやHolaraAI、その他マージモデルが大半を占めているアニメモデルですが、当時はこのWaifu Diffusionが唯一の確立されたアニメモデルと呼べるほど完成度が高いものでした。

もちろんノウハウも技術も今ほど無かったので手放しに美少女と呼べるイラストを作れるわけでもなく、人と認識できるイラストを作るだけでも苦労したものです…


しかし、自分好みの女の子をイラストとして作り出せること…
それは紛れもなく、運命的な出会いであったと言えます。

画力のない自分にとっては一生をかけても叶わなかったであろう夢が、叶った出来事でした。

プロンプトの改良 9月下旬ごろ

どうせなら更に高みを目指したいということで、画像を生成するためのプロンプトについてもっと調べてみることにしました。

その頃に丁度AI術師の集まるDiscordサーバーを見つけていたので、そこに入れば何かヒントが得られるのではと思い早速入ってみました。

そのサーバーは当時としてはかなりたくさんのAI術師が集まっていて、Stable DiffusionやMidjourneyをはじめとし、Waifu Diffusionなどの呪文の研究がされていました。


当時はNovelAIもない時代だったためmasterpieceやbest qualityなどといった呪文もなく、クオリティタグに類するものとしてwetやkuudereといったものが多く用いられていました。

wetというプロンプトは、濡れ透けの絵自体うまい人しかなかなか描かないことを理由としてクオリティが向上するという考察があり、kuudereはそのまま”クーデレ”の意味ではなく絵を大きくアニメ調に近づけるプロンプトとして使われていました。

Colabで動かせるwebUI (AUTOMATIC1111) との出会い 10月上旬ごろ


今まではColabの左のようなノートブック上でいわゆるデモ版のような状態でしかWaifu Diffusionを使ったことがなく、i2iをはじめNegative Prompt、更にはステップ数や解像度までいじったことがありませんでした。

しかし別のモデルを試そうと他の配布されているノートブックを使った時、今までの通りのデモではなくwebUIが立ち上がりました。

最初は今まで通り使えなかったのでかなり困惑していましたが、使い方を調べてwebUIを使ってみることにしました。

まず最初に触れたのは、t2iにおいてのステップ数や画像サイズでした。

画像サイズは縦長にしたかったので512×704、しかしステップ数に関しては当時何も知らなかったので、まさかまさかの100stepsに設定していました。

おかげで一枚一枚無駄に長い時間がかかっていたのはいい思い出です。


また、その甲斐あってかクオリティも安定してきたため、友達から好みの女の子の見た目を聞いたりして生成もしていました。

この画像は友達の癖に相当深く刺さったらしく、今でも友達はこの絵を待ち受け画面に設定しています。

更にこの頃にはtrinartモデルにも触れ始め、一気にイラスト全体のクオリティが向上した時期でした。

NovelAIの登場

この頃になって、徐々にNovelAIがTwitterやコミュニティ上で話題になってきました。
当時の自分は「また何かモデルが増えたんだな~」程度に考えていましたが、NovelAIは予想のはるか上を行っていました。

NovelAIの登場から数日、先ほども登場した友人がDiscordにNovelAIを用いた自キャラのi2i画像をDiscordに投稿しました。
その画像は確実にキャラの特徴を捉え、構図や目も完璧ながら絵柄は完全にイラストそのものでした。

それに衝撃を受けTwitterやGoogleでNovelAIについて調べてみると、当時ではありえないような超高クオリティの絵がそこら中に上がっていました。


当時の私はtrinartcharacters19mというモデルをColab上で使っており、安定して人を出すのにも苦労していた時期だったためその分衝撃もかなり大きかったです。

そんな話も耳に入ってきたので「早速使いたい!」と思い調べてみました。
どうやらDALL Eと同じ専用のサイトで動くものらしく、早速アクセスしてみることに。

しかしどうやら生成Anlasというものが必要らしく、それにはお金が必要とのこと。
その購入額を見た私は、そっとページを閉じてColabに戻りました。

今でこそHolaraAIやNijijourneyなど多くの高品質アニメモデルが台頭してきていますが、今でも戦える地力を持ったNovelAIはほんとに凄いモデルだったのだと、今になって感じます。

AI画像コンテスト 10月下旬

いつも通りTwitterを何気なく眺めていたある日、ふと”AI画像コンテスト”というイベントが開催されているのを目にしました。

これ以前にもDiscord上のサーバーで似たようなものが開催されてはいたのですが、専用サイト上でこれほどの規模で開催されたのはこれが初めてでした。

早速参加しようとサイトを訪れてみると、とてつもない量の高クオリティなイラストが次々と目に入ってきました。

やはりコンテストというだけあって女の子のイラストから芸術的なイラスト、はたまたネタに全振りしたようなイラストなど、幅広いものが寄せられていました。

そして当時はNovelAIがローカルやその他モデルを抑えトップに君臨していた時代だったので、大半の作品はNovelAIを用いて制作されていました。


もちろん自分はNovelAIを使うことができなかったため、頭を一生懸命捻りながら制作を続けました。

それまではランキングなどといった”競いながらイラストを作る”ということを全くしたことがなかったため、新鮮な体験をしながら毎日楽しく制作し続けることができました。

結果的に11月2日に投稿したアナログホラー風味のイラストが自身初のデイリーランキング1位を獲得し、更に総合8位にまで食い込む大健闘を見せました。

このAI画像コンテストは総作品数2165作品を越える盛り上がりを見せ、各方面から多く注目を集めました。

様々な会社…果てにはNovelAIまでも協賛として入る超大規模なイベントとなり、その後の展示会にはNovelAIのコミュニティマネージャーまで来日することになりました。

今となってもこれほどの規模で開催されたAIイラスト関連のイベントはそう多くなく、その先駆けとなったこのイベントに参加できとても有意義な時間だったと思っています。
様々な術師さんと知り合うことができたと共に、見聞も大きく広めることができたイベントでした。

宣伝 AI Collection開催


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4月8日の土曜日より、AIイラストのみを扱った即売会が川崎市の産業復興会館で開催されます!
私自身は参加しませんが、名だたるAI術師様がたの手がけたグッズが販売される予定です

興味のある方は是非一回足を運んでみてはいかがでしょう?